2014.04.09 日本での受注会を終えて


日本滞在中、研修生希望の方達と慌ただしい合間を縫ってお会いしました。

たくさんの方々から是非働きたいという問い合わせを頂いておりましたが全ての方とお会いする時間は到底なく、最終的に四名の方とお会いすることが出来ました。

日本を離れて11年目に突入しましたが年3〜4回受注会で一時帰国しておりますのでそれほど自分と日本在住の方と精神的な面でズレがあるとは思っておりませんでした。ただ今回それぞれの方と話をして、私が思っていたよりもずっと彼らは思いが強いと感じました。

私は日本にいた頃むしろ日本のアパレルメーカーがする服作りとは合わず、またどんな講習会に参加してみても自分の技術力を上げることが出来なくて、大きなフラストレーションを感じていました。パリに行くことはむしろ日本でドロップアウトして居場所がない自分への最後の希望のように感じていたように思います。住民票を抜き、海外転出という形でパリで自分自身の居場所を何としてでも作る。そうした後に引けないという強い信念がありました。

今回日本で会った4人の方は、皆それぞれ違うのですが、共通しているのは服作りへの強い思いかも知れません。
大量生産の服作りに疑問を持ちながらも、けれどももの作りをしていきたい。『プロフェッショナル 仕事の流儀』のテレビを通じて私達のことを知り、そして本を読んでくれた人ももちろん居ます。

この出会いが単なる出会いではなく、今回選んだ人達には自分の技術の大半を教えていきたいと思っています。美しい服を作りたい。その純粋な思いは最初は自分からお客様へ向けたものでした。ただこれからはそこにプラスして学びたいと願う人達にも向けていきたいと思っています。

育てていくことは簡単なことではなく、自分にとって多くの時間を費やすことになるでしょう。でもそれはきっと大きな喜びに繋がると思います。学びたいと願う人が真剣に向き合う以上、私も真剣に教えていきます。

一人目の方は早ければ5月末に渡仏。
早く一緒に働きたい、そんな気持ちがあります。

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