素晴らしい生地。
これがこの生地を裁断し、ポケット作りをしていて感じた印象です。生地は何もsuper 180sやカシミア100%のものばかりが良いわけではありません。こちらのCAPELLA,ウール100%で特にsuper◯◯といった表示はないのですが、非常に仕立て映えする生地です。打込みはしっかりしていますし、きちんと落ちてくれ、そしてデザインが良い。
生地が『落ちる』という言い方は作り手が良く使う言葉ですが、非常に大切なことだと思っています。いくらデザインが良くて、打込みがしっかりとしていても、布が重力にのって落ちてくれなくては綺麗なドレープは生まれないと思います。
そして生地デザインはどこか60年代後半から70年代を彷彿とさせるもので、こちらも素晴らしい。いまや当時のスポルテックス(Dormeuil sportex)でしか見つからないと思っていた生地デザインが、新品で購入できるなんて嬉しい限りですね。(東京青山にあるDormeuilのショップでは昨年末ヴィンテージスポルテックスを展示していました。この生地と同様、良い生地でしたね)
上の写真はちょうど胸ポケットを作り終えたところ。柄合わせがここまで上手く行くと、まるでポケットがないかのよう。
まさに職人の腕の見せ所といえるでしょう。
次は芯据えをしていきます。