体型に合わせて作るのは大前提で、
自分はその『もう少し先のものを表現したい』と常々思っています。それはお客様ご自身の持つ雰囲気や空気感だったり…色っぽさを自然に醸し出すことだったり…その人を魅力的に見せるものだったり…一言では決して言えないのだけれど、大前提としてあるのは、『一目を引くようなものでは決してないもの』です。
主役はあくまでお客様であって、自分達テーラーは黒子。服が一人歩きするのではなく、その方が魅力的に見えるように仕立てたい。
それがスムーズに出来るお客様もいれば、掴めそうで掴めないお客様もいます。
時にそれは肩のカッティングラインを3mmずらすことだけの場合もあります。

もどかしい・・と思う時がありますが仮縫いを重ねる事で『絶妙なポイント』は必ず見つかり、納品後お客様から”Bravo kenji”というメールを頂きますと本当に嬉しいです。