2012.05.18


今日は独り言です。
感じたままに書きました。

ここ最近、ジャケットのゼロからフィニッシュまでのほとんど全てを自分と妻の二人でこなしてる。こんなに縫うようになったのは、縫いの職人だった時以来だな。
テーラーはやはりオーナーがカッターでいながら職人で居なくてはいけないのかもしれないと最近よく感じる。
やはり見習いで入ってきた若手にオーナー自身がやって見せなければ人はついてこないからだ。
職人は特にその人間が技術的に優れているかどうかの嗅覚が鋭い。
ダメなオーナーについてく人間は少ないし、いくら自分が縫いを知っていても日常でやっていないと腕はドンドン落ちる。
逆に言えば、こうして限られた時間の中でカッティングと縫いをすることは自分のスピードをあげて行くことになる。
更なる飛躍を。意識次第で腕は上がり美しいものを妥協せずに作って行こう。

これでいいか。というたった一つの妥協が、多くのことにつながっていく。
こんな所見えないじゃん。うん、確かに見えないかもしれない。でも少なくともあなた(自分)は見てるよね。

些細な日常の決断がそのものの完成度を決めて行く。妥協はしません。ミリ単位の修正が出来るのがテーラーの仕事、そしてそれがやりたくてここまで来たのだから。既製品との大きな差でもあり、また個人の力量が完全に表に出てしまうからちょっとやそっとじゃ既製品より綺麗なものは作れない。だからこそ、自分の技術、感性をより磨いて上に向かっていきたい。

CAMPS De Luca で修行していた際、最初の師匠Fernandoが『俺たちはこの手から美しいものを作っているんだ。それって素晴らしいことだろ』と窓際で太陽を燦々と浴びながら私に言っていたのを思い出します。


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